ゆる読書会 参加者インタビュー Vol.1 とりこさん

今回はゆる読書会に3年以上参加されているとりこさんにお話を伺いました。本が好きになったきっかけやアウトプットの場である読書会に参加し続けている経緯など、赤裸々にお話してくださいました。

お話を聞いた人 とりこさん

夫の海外転勤により、南米の海辺の街で暮らすアラフォーです。夫とのふたり暮らし。趣味はひとり旅、お昼寝、読書、たまにマリンスポーツ。可能な限り疲れることはしたくない、省エネ・インドア派。家のソファーで本を片手に日向ぼっこしながらうたた寝するのが至福の時です。

小さい頃は図書館で週末を過ごすのが日課だった

—— お久しぶりです。ゆる読書会と同じく、ゆるっと楽しくお話をお伺いしていきたいと思います。さっそくですが、本が好きになったきっかけを教えてください。

実は、これ!といったきっかけはないんです。小さい頃から本を読んでいましたし、市立図書館で週末を過ごすのが習慣でした。夜寝る前には母親がベッドで本を読んでいたのを見ていたので、自然と本が身近にある生活をしていました。

あとは、本以外に楽しみがなかったというのも、読書好きになったことと関係しているかもしれないですね。

—— 本以外に楽しみがなかったというのは…

小学校三年生のとき、テレビばかり見ていた私に怒った親が、テレビを壊したんです。それから中学生になるまで我が家にはテレビがありませんでした。テレビがだめなら、もちろんゲームも漫画も禁止。ニュースも見れないので、子供ながらに新聞を読んでいましたね。

本を通して新しい世界を知った

—— もともと本を読む習慣があったからこそ、耐えられたのかもしれないですね。今でも覚えている子供の頃に読んだ好きな本はありますか?

「ズッコケ三人組」のシリーズは、小学校低学年の時に読んではまりましたね。子供たちだけで問題を解決して成長していく姿が面白くて。特にお気に入りの作品は「うわさのズッコケ株式会社」です。自分たちが持っていたジュースを釣り人相手に販売したところ、ちょっとした儲けが出て「これって僕たちだけで商売できるんじゃないの?」というところからストーリーが展開していきます。当時私も小学生だったので「こんな世界があるのか!」と驚いたのを覚えています。

—— 子供のころはネットもない時代ですし、本から新しいことを吸収していたんですね。他にはありますか?

「アフガニスタンの星を見上げて」です。内戦状態にあったアフガニスタンから日本に逃げてきた男の子の話なんですが、世界の状況や自分と同世代の子供がどんな環境に置かれているのか知るきっかけになりました。この本を読んで「自分は本が好きだな」と実感したのも覚えています。本を通して違う世界を見られることに、衝撃というか、すごく心に残りましたね。

あと「流転の王妃の昭和史 」も好きでした。小学生だとまだ世界の歴史を勉強する前ですが、この本を読んで歴史が一つのストーリーとして浮かび上がったのを覚えています。歴史本が好きになったきっかけの本でもありますね。

—— これらの本は今でも持っていますか?

昔は図書館で読んでいたので、買い直した本は何冊かありますね。基本、紙で読むのが好きなので。本棚には、買い直した本や読み終わった本だけでなく、積読本もたくさん…まだ読んでいないのに本を買い足してしまうので、どんどん本が増えていってしまいます。

—— 子供の頃は、親から読む本を指定されたり「この本を読みなさい」と手渡しされたりしていましたか?

本のジャンルを指定されたことはありませんね。ただ、本の読み過ぎで怒られたことはあります。

—— 幼少期から世界を題材にした本を読まれているということでしたが、読むジャンルや冊数は大人になって変化していきましたか?

大きくなるにつれて「勉強になる本を読まないと」というやっぱり焦りはありました。なので、手あたり次第読むというより、主に歴史やノンフィクションを読むようになりました。ただ、大学生、社会人になって忙しくなったというのもあって、読む冊数は少なくなりましたね。大学生になると、本が見せてくれる世界よりも自分の生活のほうが面白い!と感じることも時々ありましたね。それこそ、社会人になれば「自己啓発本やビジネス本を読んだほうがいいのかな…」と思っていた時期もあったので、ノンフィクションや歴史といったジャンルの本を読む頻度が減っていきました。

—— ゆる読書会がきっかけで、また本を読むようになったのですか?

もともと本を読むのは好きなので、本から離れていったというわけではないですね。今は、夫の海外赴任の関係で南米に住んでいて時間のゆとりが少しあるので、本を読む冊数も少し増えました。たしかに、ゆる読書会の存在は大きいですね。自分一人で本を読んでいると読むペースが乱れやすいけど、最低月1回参加するって決めておくと、毎月コンスタントに読むようになりました。「自分の中で良い習慣だな」と思って、今でも定期的に参加しています。

本は趣味であり楽しみ

—— 小さい頃から本を読んでいるとりこさんですが「読書が人生に良い影響を与えているなぁ」と感じたことはありますか?

特にないですね。笑 私にとって読書は趣味!「本をたくさん読めば頭が良くなる」とは信じていなかったので、私にとって本は本当に日々の楽しみなんですよね。ただ、今振り返ってみれば、本を読む習慣があったことによって「国語や古典の教科書を読むのが苦痛ではなかった」というのはあるかもしれないです。試験勉強はつまらなくても、その教科は好きということは何度もありましたし…本を読んで何かを手に入れよう!という感覚ではなく、趣味であり楽しみです。

—— だからこそ、ゆる読書会という名前に惹かれたっていうのもあるかもしれませんね。ちなみに、本を買う決め手やタイミングは何ですか。

それこそ、ゆる読書会で皆さんが紹介していた本をネット購入することはよくあります。あとは、雑誌などの紹介で気になったものがあれば「面白そうだな〜」と思って買います。本当は小説もたくさん読みたいんですけど、自分の中で当たり外れが多いイメージがあるので、基本ノンフィクションや歴史、新書を買うことが多いですね。

—— ゆる読書会はオンラインをメインにやっていますけど、もしもオフラインの読書会が近くで開催していたら参加しますか?

参加したことのない読書会であれば、参加しないかもしれないですね。参加したい気持ちもあるんですけど、1回も会ったことのない人たちであればなかなか気持ちが盛り上がらないかも…そういう面でいえば、ゆる読書会でよく一緒になっているメンバーには対面で会ってみたいなって思いますね。

—— これまでオンラインでしか会えていなかった人たちに会えたら盛り上がりそうですね。今回は、お忙しい中ありがとうございました。

お話の中で出てきた本

うわさのズッコケ株式会社/那須 正幹

アフガニスタンの星を見上げて/フルグラ コヒィ

流転の王妃の昭和史/愛新覚羅 浩


インタビュアー 佐々木なるみ

ライター。ライフスタイルや健康を中心とした記事を執筆。父親から勧められた松本清張の「ゼロの焦点」を読んで小説にドはまり。本の感想を共有できる場を探していたところ”ゆる読書会”を見つけ、約1年前から参加。毎晩1時間ほど読書するのが日課です。好きな作家さんは、松本清張・朝井リョウ・辻村深月・川上弘美。

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