ゆる読書会 参加者インタビュー Vol.4 なおこさん(前編)

—— え?旅行に行ったまま ?

1回は帰りましたよ。帰りましたけど、その後すぐに準備して、「中国に行くはずだったのに?」ってみんながポカーンとしてる間にキューバに行っちゃいました。

—— そんなに急に決めて行けるものですか?

行った先の国で仕事しようっていうよりは、1年間のお休みって自分で思ってたんです。ある程度お金は貯めてたし、その時点で中国語を勉強してたって言ったってあれなんで、行ってから大学に入ろうと思っていたんです。

サバティカルって言うんですかね。その時は、「とにかく休もうって」。5、600万円あれば安い国なら1、2年ぐらいは暮らせるじゃないですか。お金がなくなったらまた日本に帰って働こうって思ってました。当時は結婚もしてたし。だからもう本当に、長い長いロングバケーションだったんですよ。で、結局2年弱キューバにいました。

その後、日本に帰ってからまた税理士として働き始めました。で、次にお金が貯まったらどこって考えた時に「スペインに行こう」って思ったんです。どこの国に行くにしても、スペイン語(※キューバの公用語)の勉強をちゃんとするなら、スペインに行った方がいいかなと思って。

それでスペインに留学しました。4〜5年働いたあと、また日本に戻ってある程度お金を貯めて、それでまたスペインに行って・・・トータルで12年もスペインにいました。

元旦那さんも海外に行くことを応援してくれていました。彼もアーティストで、「やりたいことがあるならもうやれやれ」ってタイプだったんです。最初の3、4年は楽しく中間地点で会って旅行したりとかしてましたね。

最初のうちは楽しくてよかったんですけど、そんだけ長く一緒にいないとダメですよねってじわじわ別れていったわけです。もちろん海外別居婚で続く夫婦もいるんですよ。でもうちはダメでした。

スペインでガイドからマネジャー、そしてメキシコへ

—— スペインでのお仕事はどうやって見つけたんですか?

最初はマドリードで日本語を教えたり通訳やったりっていう、外国人あるあるみたいな仕事をやっていました。需要もあってけっこう稼いでて。

それをやっていたら、日本にある缶詰の会社の会長さんがスペインに旅行に来て、ガイドを頼まれたんです。ガイドをしたら「ついでに商談の通訳もして」って頼まれて、10日ぐらいの出張についていったら気に入られちゃって。もう3日目ぐらいに、「うちの会社でマネジャーやんない?」みたいに誘われて、「じゃあやります〜」ってなって笑。

—— 軽い!笑

そうそう。で、その会社があるスペインの田舎の方に引っ越しました。お金を出してるのも仕事の内容の発案とかも全部その会社なんですけど、立ち上げた名前は私だし、実際にやるのは全部私だし、会社を持たされてたっていう感じかな。

でもその会社もコロナがきっかけで閉めなきゃいけないことになって。ゆる読書会によく参加していた頃(※2020年頃)は多分その閉める作業をやっていた時期です。なんとかお給料をもらったり、失業保険をもらったりしながら1年ぐらいその作業に没頭していました。

それから次の仕事を探して見つかったんですけど、お給料が安くて「もうこれではやってけない」みたいな感じになって。また都会のマドリードに戻ったんです。そこでもレストランのオーナーをやったり、ワインを輸出する会社に勤めたりしたんですけど、そこでもお給料が安くて家賃にもならなくて。